私は、藤井市政が打ち出した行革大綱は市のやるべき仕事を縮小し、企業にゆだねたり民間に任せていく方向を示したものであり、そうした行政のあり方は
地方自治法に照らしても、住民の安全、健康及び福祉を保持するという自治体本来の役割を覆すほど重大であると受けとめざるを得ません。市民の命と健康を守る保健、医療、福祉の分野で、市の
高齢者保健福祉計画の実施と充実がいよいよ重要な段階に入ってきている今、その専門性がフルに発揮されていくべき保健所と区福祉部の統合をなぜに行うのでしょうか。
また、母子保健や食品公害問題など、予防や衛生上の分野を担っている保健所は、今後ますます市民に密着した地域保健を高い次元で確保していくことが求められているときだけに、統合によって公衆衛生の仕事が体制上弱体化されるのではないかということが危惧されます。
保健所と
福祉事務所の統合は、保健と福祉の垣根を越えることを目指すものと言われますが、だとするならば保健所、
福祉事務所の現場でどういう問題があり、組織の統合によってそれがどう解決されるかということについて、どれだけ論議が進められたのかが問われなければなりません。地域における保健、福祉活動をきめ細かく展開していくための体制の確立は確かに急務でありますが、それは今回のような上からの一方的な押しつけによるのではなく、保健所、
福祉事務所、それに
ホームヘルプ部門などでの合同の論議を積み重ね、真に住民のニーズにこたえられるような総合的な保健、福祉体制のあり方を提言する中から、必要であれば組織提言と適正な人員配置について改善していくというのが本来のあり方ではないでしょうか。現場でのそうした論議の
積み重ね抜きの上からの提起は、結局は政府の指示を受けた自治体のリストラの一環としての行革でしかないことをはっきり示しているのではないでしょうか。
現在の
地域保健法や
社会福祉事業法には、保健所や
福祉事務所を設置することを義務づける、いわゆる必置義務があり、保健所長は医師であることが必要、福祉を担当する職員は専任でなければならないと規定されています。
ところが、全国に先駆けて両機関を統合した広島県では、
総合保健福祉センターを設けましたが、県の組織改正の動機は、
アジア競技大会の要員確保のためのリストラ、大会準備に間に合わせるために
センター設置についても十分な準備期間がとれなかったためと解説する関係者もいます。政令市の北九州市の場合は、訪問指導と
ホームヘルパー派遣など、両者のサービスがスムーズに提供できるようになったと言われる面もあるようですが、組織統合によって、これまで保健所で行っていた保健指導や母子保健といった業務は福祉部、旧
福祉事務所に移り、保健部に残された対人業務は、精神衛生、結核予防など、ごくわずかとなり、旧来の保健所と比べるとセンターの保健部の空洞化が懸念されています。こうしたやり方に対し、地域保健に携わってきた専門家の間からは、
保健所つぶしを警戒する指摘もあります。
このように見たとき、保健所は新たな意味でその役割の発揮が求められていると思いますが、藤井市長はその機能を縮小するようなやり方を改めるとともに、今後の保健所の役割をどう考えておられるのかをお示しいただきたいと思います。
今度の行革大綱では、ごみ処理、給食、土木などの現業分野の委託、規模縮小が大きなねらいとされています。しかし、外注や委託化を進める
安上り一辺倒の行革では、市民生活を守ることはできません。
阪神大震災直後、復旧支援に参加した仙台市の職員は、本市においても職員がふだんから作業の経験を積んでおくことが大切だ、余りにも委託業務だけで対応していると災害時には役に立たないと、市が発行した
レポート集に貴重な体験を載せています。
市の仕事の一つ一つは、例えばごみ処理は人間と自然の物質代謝を公共的に担っており、学校給食は食生活、文化の面から子供たちの発達を保証する教育の一環として位置づけられています。藤井市政が事務事業のあり方を見直すのは、行政経費を削減することが最大の動機となっているようですが、食糧費の削減の方は一割程度にすぎないということです。経費削減の方向が間違っているのではありませんか。
また、行革を進める理由として、市債残高の急増で本市の財政の弾力性が失われつつあるなどを挙げておりますが、市の借金が一兆円近くにも急増したのはどうしてでしょうか。藤井市政が
大型プロジェクト事業優先で、
ゼネコン汚職を生み出した石井前市政の路線を継承して、バブルが崩壊した後でも、東北一の
巨大ビル建設を目指す仙台駅北部再開発を初め、大型事業を推進してきたからにほかなりません。こうした
大型プロジェクト優先のツケを一層の福祉、
医療切り捨てで乗り切ろうとするのは本末転倒です。
財政困難の原因は、
浪費型公共事業に起因しているわけですから、本来ここにメスを加え、財政の運営の抜本的な見直しを図るのが筋ではないでしょうか。市長にお尋ねいたします。
最近、市が発表した新
総合計画策定調査中間報告では、仙台市は都市集積によって、
自動車公害、ごみ増加、緑の保全など、大都市型環境問題が懸念され、都市成長の限界に触れざるを得ない状態となっています。
この中間報告をめぐって、マスコミからも藤井市政の
中枢都市づくりが、都心地区では人口の空洞化、産業創出は明確な戦略が見えず、交通量の増加により慢性的な交通渋滞、
女性センターや音楽堂などのコンセプトも市民の利便性も公にされず、市民不在などと指摘されるようなさまざまな矛盾が噴き出し、市政運営が大きな変革期にあることが示唆されています。
そこで、市長にお尋ねします。自治体の役割は住民の安全、健康、福祉の充実にあるのであって、
巨大ビル建設や大
規模地域開発の推進にあるのではないのですから、この行革大綱は白紙に戻して、市民や職員の意見をよく聞きながら、時間をかけて再検討すべきではないでしょうか。この点での市長の御答弁を求めます。
次に、在宅福祉のかなめとなっている
ホームヘルプ事業の充実についてお伺いいたします。
最近、仙台市民五百人を含む一千人を対象にして、
県社会福祉協議会と
県福祉人材サービスセンターが行った福祉に関する意識調査では、現在の
福祉サービスに満足しているのはわずか二割強にとどまっているのに対して、不満と答えている市民は四五%にも及んでいることがわかりました。こうした中で、高齢者への二十四時間
対応ホームヘルプサービスが、県内でも南郷町に続いて塩釜市でも
国庫補助事業で始まっています。今、安心して老後を過ごせる市町村をと全国各地で高齢者と家族、住民と自治体が力を合わせて、豊かな福祉を築く取り組みを進められていますが、二十四時間対応の
ホームヘルプサービスは、ますます切実な課題となっています。
現在、仙台市における
ホームヘルプサービスは、
財団法人仙台市
在宅福祉サービス公社において一元的に実施されています。
ホームヘルパーは、九五年十月現在、
主任ヘルパー三十七名、嘱託三十名、
登録ヘルパー五百八十五名となっています。総勢六百五十二名のヘルパーさんが、市内の三つの
ヘルパーステーションに配置され、寝たきりや
ひとり暮らしの高齢者に対する日常生活の援助がなされています。
しかし、今の仙台市のやり方は、昼間の時間帯の限られた範囲でしか行われておりません。そのために要介護世帯では、少しも目が離せない、自分の時間がほとんどとれないといった悩みが聞かれます。さらには、訪問先での仕事の内容、やり方についても、少しでも新しい問題が起きると一々問い合わせをしないと仕事ができない、マニュアル以外のことは一切しないといった例が指摘されています。
これは、個々のヘルパーさんの問題というよりは、
登録ヘルパーが圧倒的比重を占めているところから起きている問題と言わなければなりません。今後、早朝や夕方、夜間の派遣回数をふやしてほしいといった要望にこたえるためには、
常勤ヘルパーの確保、ヘルパーの身分保障、待遇改善など、なお一層の条件整備が求められていると思いますが、いかがでしょうか。
先日、私は、市を挙げて二十四時間在宅ケアに取り組み、一年三百六十五日派遣できる体制を確立し、日曜や祭日も対応する
ホームヘルプ事業に取り組んでいる大阪府の枚方市を視察してまいりました。枚方市では、この数年の間に
ホームヘルパーを大幅にふやし、
ヘルプ事業を年度ごとに充実させ、最初は午前八時から午後五時までのサービスでしたが、次に午前七時から午後十時まで派遣時間を拡大し、そして夜間対応へルパーを創設して、二十四時間サービスを実施するまでにこぎつけています。寝たきりなど介護を必要とする高齢者には、訪問看護と組み合わせての朝、昼、夕方、夜と毎日二十四時間対応の
巡回型ホームヘルパーの派遣が実現することによって、お年寄りに笑顔が戻り、御家族からは休息がとれる、いつでも来てくれるとわかっていると安心して介護に当たれるなどと大変喜ばれ、介護者の
肉体的負担ばかりか、
精神的負担の軽減や解放につながっていることが明らかとなっています。
枚方市は、人口四十万人足らずですが、在宅ケアを進めるために市内を六つのブロックに分けて、
ホームヘルパーのチームと看護婦、保健婦さんが連携プレーをとって、きめ細かな
ホームヘルプサービスを行っています。こうすることによって、要介護者の一人一人の状態がつぶさに把握することができ、行き届いたサービスを可能にしたと言われています。
また、
ホームヘルパーは、高齢者の尊厳を守る専門性を持った仕事であり、笑顔で安心して仕事に打ち込めるよう、身分保障、労働条件、研修などを改善する中で、どうしても常勤職員のヘルパーをふやさなければならないという結論に達したそうです。今では、正規職員のヘルパーを中心に手厚いケアが行われてきていますと、市の福祉課長さんが誇りを持って語っておられました。
藤井市長は、仙台の
中枢都市づくりを主張し、大都市化の方向で施策を推進されておりますが、
政令都市仙台でも区を幾つかの地域に分けて、住民と密着した施策をいかに進めるか検討し、在宅ケアの抜本的強化を図ることを求めたいと思いますが、いかがでしょうか。
ところで、政府は、世論に押されて新ゴールドプランを示しましたが、何よりも目標の点では住民の要求を満たすにはほど遠い上に、
ホームヘルパー十七万人計画にしても、その七割は
非常勤職員という、身分不安定のパート頼みの計画にとどまっています。財源保障と専門職員の確保対策の点では、具体策を示そうとしていません。これでは、今市町村が立てている、まだまだ不十分な
高齢者保健福祉計画の実現すら危ぶまれる事態です。しかも、福祉を拡充するには、消費税率の引き上げを認めよと開き直っていることに国民の批判が高まっています。
こうした中で、枚方市などでは、在宅ケアを地域と住民の生活実態に根差して進めるために、国の
費用負担基準を緩和して、
ヘルプサービスを受けやすいように独自の施策で進めています。
こうした国基準に自治体が上積みして
ヘルプ事業を進めるやり方は、ほかでも横浜市、川崎市や東京都などで行っています。当市としてもこうした取り組みを行うよう、市長に御検討を求めたいと思いますが、いかがでしょうか。
枚方市が二十四時間ケアに本格的に取り組み始めたのは、九三年度、九四年度と市長、助役を先頭に、職員そして市民も参加して、北欧諸国の先進的な福祉制度の視察をしてきたことがきっかけだそうです。
九四年度
高齢者保健福祉海外調査団団長の枚方市小椋助役は、「デンマーク、
スウェーデンという国が、いかに個人の生活を大切にする生活大国であるかを痛感しました。プライエム、
高齢者住宅やデイケアセンターなどの施設のすばらしさは言うに及ばず、そこで生活し、あるいは活動していらっしゃるお年寄りの生き生きとした表情を見ていると、人間社会のありようについて改めて考えさせられる思いでした。たとえ要介護の状態になったとしても、本人が希望するなら可能な限り自宅での生活を継続できるような支援体制が確立されていること、すなわち、個人の自己決定の自由を最大限に尊重するという理念に基づいて、各般の施策を展開している点に大きく学ぶところがありました」と報告集に書かれておられます。私は、とても重要なことをつかんでこられたと思います。
既に御承知のとおり、北欧などでは
ホームヘルパーは、家事とか相談、助言という手段、技術を通して、家族なり対象になっている人々を支えていくという専門的な仕事として位置づけられており、
スウェーデンでは人口一万人に対して八十七・六人ものヘルパーが配置されています。同様に見ると仙台市では、一万人に対して六・八人ですから、
スウェーデンは実に仙台の約十三倍も多い水準です。枚方市では、市のトップがみずから視察して福祉の理念をとらえ、シンポジウムなどもやって、二十四時間
ヘルプ事業を実行している姿勢は高く評価されます。
当市においても先進的な福祉のあり方を大いに参考にされて、
ホームヘルプ事業の拡充を図るべきと思いますが、いかがでしょうか。
次に、
固定資産税と
都市計画税の軽減措置を図る問題についてお尋ねします。
固定資産税は、前回の九四年度に評価替えが行われ、大都市圏の場合はそれまで公示価格の二割だった
土地評価額が、全国一律に七割に大幅に引き上げられました。そのために、庶民の住む住宅用地や家屋、
中小零細商店や工場の
固定資産税がはね上がり、市民の暮らしにずしりとのしかかりました。余りにも高過ぎる
固定資産税に対する国民の怒りが沸き起こり、政府は批判をかわそうと臨時措置として二年連続で負担緩和を行いましたが、
幾ら緩和措置をとったとしても、最終的には公示価格の七割の評価額に相応する負担が求められているわけですから、税額は毎年上昇しています。
こうした中で、
バブル経済が崩壊し、
固定資産税や相続税の重税感が高まって、大きな社会問題、政治問題となっています。そのために大阪府では、相続した不動産をすべて売っても相続税を払えないという裁判が起こり、こうした不合理が生じることは法は予定しておらず、違憲の疑いが強いとする司法判断が下されています。
バブル経済がいかに異常なものだったかを物語るとともに、投機の対象でない庶民の住宅などに大変な重税になっていることを示しています。
政府は、規制緩和と称して大企業が保有する遊休地に課せられている地価税を撤廃する方向に向かいながら、市民の
固定資産税の
税率引き下げは絶対にやろうとしません。今、各方面から大企業には地価税をなくし、
固定資産税に手をつけないというのはおかしいという疑問の声が寄せられていますが、国民の納得が得られないのは当然ではないでしょうか。
固定資産税の評価額のもとになっている地価公示を見ますと、仙台市の住宅地及び商業地は三年連続して下落しています。最も下落しているところでは、商業地で青葉区国分町二丁目は、九三年マイナス一八・八%、九四年マイナス二一・五%急落し、住宅地でも青葉区台原四丁目が九三年六・六%、九四年が一〇・六%も下落しています。こうして、最近では地価が下落しているにもかかわらず、税額は上昇しているという矛盾も生まれ、
固定資産税と国保税で百万円近くになるが、不況で売り上げがさっぱり、このままでは商売が続けられない、土地を手放すしかないが
バブル崩壊で土地の価格は安いという痛切な声が上がっています。市民が高過ぎる
固定資産税で生存権さえ脅かされるような状態になっています。
さて、前回の評価替えから一年半近くが経過した今日、九七年度に行われる
固定資産税の評価替えのために、早くも作業に入り始めておりますが、
固定資産評価額は
都市計画税の課税標準となり、また国保料や保育料の資産割の基準となるものだけに、市民生活への影響ははかり知れません。そもそも土地の売買を前提とする
地価公示価格に、
固定資産税の決め方を合わせていくこと自体が無理なやり方ではないでしょうか。
私
たち日本共産党は、かねてより土地の使用形態に応じて収益の大きい大企業や銀行などの用地は高く、中小企業や一般商店の方々の用地は低く抑え、庶民の住宅用地をさらに低くなるように
固定資産税の評価を
収益還元方式に改めていくことが必要と述べてきました。この考え方は、非常に合理的と多くの方々の要求にもなっています。また、国民の生存権、財産権を守るという立場から、土地や家屋に対して、一定の範囲で非課税にすることを目指すべきではないでしょうか。すなわち、二百平方メートルまでは非課税にすることや
基礎控除方式の導入などを検討する必要があると考えますが、そういう方向を目指すことについての市長の御所見をお伺いいたします。
また、
固定資産税の標準税率を条例で引き下げることは、法律上は可能と言われていますから、市みずからの判断で引き下げる努力をすべきではないでしょうか。国に対しても、評価基準の引き下げや標準税率の引き下げを図るよう、強く働きかけるべきであると考えますが、どうでしょうか。
さらに、
都市計画税は、もともと課税されていなかった旧秋保町地域や旧宮城町地域も政令市になって課せられることになりました。この
都市計画税は、全国で課税が行われている自治体のうち、五〇%の自治体が標準税率〇・三%以下に引き下げています。当市としても、市民の暮らしを守る立場に立って、
都市計画税の減税を求めますが、いかがでしょうか。
次に、基地、安保問題、
非核平和都市宣言についてお伺いいたします。
沖縄での痛ましい
少女暴行事件は、私たち国民に大変な衝撃を与え、
日米安保条約のもとで、日本の国民がどんなに屈辱的な立場に置かれているかを一挙に明るみに出しました。戦後五十年を経た今もなお、日本には百四十近い米軍基地があり、多くが沖縄に集中していますが、沖縄では一九七二年の本土復帰から数えて、米軍の殺人、
婦女暴行事件など凶悪犯罪だけでも五百九件に及んでいます。沖縄以外でも、この五年間だけで米兵による日本人殺害は、二十二件も起きています。二度とこうした事件を起こさないために、米軍犯罪の根絶、被害者への完全補償、
日米地位協定見直し、米軍基地の整理、縮小の四点は、沖縄県民の差し迫った要求となっています。
また、
日米安保条約の是非をめぐる国民世論も今大きく動き始めています。日本経済新聞社が十月に行った世論調査では、
日米安保条約を維持していくべきだの意見が、前回の八月調査時点では五九・八%だったものが、今回四三・五%へと大幅に低下し、逆に、
日米安保条約は解消すべきだの意見が、前回の二八・七%から四〇・二%へと急増しています。調査に当たった
新聞社自身が、予想をはるかに超えた結果である、尋常なことではないと解説するほどの短期間での大きな変化でした。
ところが、米軍は、沖縄での実弾による軍事演習の再開を強行しました。そして、実弾演習を本土に移して分散させようとしており、その候補地の一つに宮城県の
王城寺原演習場が挙がっていることは重大です。先日、我が党は、
松本善明衆院議員を先頭に防衛庁を訪れて、
王城寺原演習場への
実弾演習移転を許さず、基地の縮小、廃止を求めて交渉しました。防衛庁の担当者は、地元の意向を無視して移転することは難しい旨を表明していました。地元の一つ大衡村の村長も移転反対を表明していますが、藤井市長は、市民の声を代表して移転反対、基地廃止の表明をされてはいかがでしょうか。
また、
苦竹自衛隊駐屯地、
霞目飛行場については、
日米地位協定のもとで
共同使用基地に位置づけられています。その苦竹基地は、市街地にあるために道路が分断され、均衡のとれた
まちづくりに大きな支障を来しています。また、
霞目飛行場は、九十二ヘクタールという広大な面積を有し、訓練のために編隊を組んだヘリコプターの
平均飛行回数は、多いときには一日九十一回にも及び、離発着時の騒音は、その都度一時的にも環境基準を超え、周辺住民の日常生活や隣接する小学校の児童、保育園児にもさまざまな影響を与えています。周辺住民からは、絶えず苦情が寄せられ、撤去を求める声が上がっています。市としても、市民の安全と生活を守る立場から、基地撤去を政府機関に要請するとともに、
日米地位協定の抜本的な見直しを求められてはいかがでしょうか。
村山内閣は、沖縄の大田知事に対して、
土地取り上げに手をかせと、代理署名の勧告、命令の強権発動を行っています。大田知事が、村山内閣の勧告も命令も拒否したことから、村山内閣は高等裁判所に提訴し、法廷闘争になっています。もし、この裁判で政府が勝ったとしても、今度は公告縦覧といって、こういう土地収用をやるという書類を住民に公示する手続が始まりますが、これも知事や市町村長に署名を拒否され、また同じような手続と裁判を行わなければなりません。
県議会ぐるみ、
県民ぐるみの支持を背景に頑張る大田知事に、激励の連帯の立場を表明されるよう求めたいと思いますが、いかがでしょうか。
さらに、中国、フランスが核実験を行っていることに対して、世界的に抗議の声が高まっています。仙台市議会でも、本年第三回定例会において、これに厳しく抗議すると同時に、核兵器の廃絶を目指す決議を全会一致で議決いたしました。藤井市長も繰り返し核実験に抗議する意思を表明されております。フランスなどに今後の核実験の実施を断念させるとともに、アメリカ、ロシアなど、莫大な数の核兵器を実戦配備している核保有国に対して、核兵器の削減、廃絶を強く要求することが求められています。藤井市長は、核も基地もない平和な日本、仙台を築くために、今こそ
非核平和都市宣言を実施すべきではないでしょうか。その意思がおありかどうか、お伺いいたします。
新たなこうした情勢を踏まえ、全国の二千八十九自治体、全人口の七九%に達している
非核平和都市宣言を仙台市でも上げるよう強く求めたいと思いますが、いかがでしょうか。
最後に、仙台の初売り問題についてお伺いいたします。
来年の正月初売りに当たって、ダイエー泉店が突如として元日営業方針を打ち出し、イトーヨーカドーなどの大手スーパーもこれに追随する構えを見せ、地域の商店街に大きな波紋を投げかけています。正月初売りの問題では、仙台市中心部の商店街がことしの正月初売りを二日実施をして論議を呼び、来年からは三日初売りに戻すことになったばかりです。
仙台の初売りは、全国にも知られた歴史的伝統を持った行事ですが、大型店が元日営業ということになれば、地域の商業慣行を踏みにじるばかりか、共存共栄に反する勝手気ままな商業活動と言わなければなりません。そこで働く労働者、物品の搬入、納入業者などの関連業者と労働者など、広範囲にさまざまな影響をもたらし、また正月に交通渋滞による地域住民への影響も心配されるところです。
今、中小零細の卸・小売業、飲食店の不振、販売額が落ち込んでいる背景には、大店法緩和などによる流通の効率化など、流通業の構造が変化していることが民間の調査からも指摘されています。こうした大手スーパーの横暴なやり方は、地元商店街の死活にかかわる問題であるだけに、自治体としての対応と指導が重要となっています。
福島県のいわき市では、市長名でダイエーなどの大型店に元日営業の自粛を求め、地元商業者や市民とともに反対運動を強めて断念させています。仙台市の三日初売りの伝統が守られるよう、市がイニシアチブを発揮するべきではないでしょうか、御答弁を求めまして、私の最初の質問を終わらせていただきます。
御清聴ありがとうございました。(拍手)
6: ◯市長(藤井黎)青野議員の御質問にお答えを申し上げます。
最初は、
行政改革大綱に関しての御質問でございます。
私は、行政運営の適正化、効率化を推進し、あわせて市民サービスの向上を図ることが市政運営の基本であると、こう認識をいたしているところでございます。
市税の収入が低迷しているなど、本市を取り巻く行財政環境が今日極めて厳しい中におきましても、急激に変化する社会経済の状況を反映する市民のニーズに的確に対応していくことが必要でございまして、行政改革の推進は、そのための基盤を築いていくために避けて通ることのできないものであるとの考えによりまして、市民や有識者等によって構成されておりました行政改革推進会議の答申を尊重しながら、自主的に大綱を取りまとめたものでございます。
なお、その実施に当たりましては、行政運営の見直しは市民サービスの一層の向上のための前提として行うものである、こういう理念に立ちまして、市民サービスに支障を来すことのないよう十分配慮をして取り組んでまいることはもちろんのことでございます。
また、行革大綱の再検討についてということでございますけれども、自治体の役割は、市民福祉の充実にあるという御指摘でございます。私といたしましても同様に認識をいたしているところでございます。
行政改革の推進は、先ほど申し上げましたとおり、市民サービスの一層の向上のための前提として行うものでございまして、その実現に向けて最大限努力をしてまいりたいと考えるところでございます。
次は、基地問題と非核平和仙台宣言に関しての数点の御質問でございます。
我が国の国家としての安全保障のあり方、これに関連しての基地のあり方等の問題は、本来的に国政レベルにおいて議論を尽くし、国民的なコンセンサスが形成されるべき問題でございまして、地方公共団体の長という立場にある私が、意思表示を公にすることは差し控えるべきものと考えております。
また、
非核平和都市宣言に関しましては、さきの第三回定例会におきまして、洞口議員にお答えいたしましたとおり、私自身としては先般の中国、フランスの核実験強行には強い憤りを感じており、その旨の意思表示もいたしておりますが、核兵器は世界の良識の結集によって廃絶されるべきものと考えておりますこと、また日本は国家として既に非核三原則を明らかにしておりますことなどから、現時点では考えの外にございますので、御理解をいただきたいと存じます。
その余の御質問に関しましては、加藤助役並びに関係局長から御答弁を差し上げたいと思います。
以上でございます。
7: ◯助役(加藤義雄)今後の保健所の役割につきまして、保健所と区福祉部の統合に関連しての御質問にお答えします。
今回の組織改正におきましては、
行政サービスの受益者である市民の立場に立って、特に高齢者及び障害者などへの対応におきまして、保健、医療、福祉のサービスの提供を一元的に行おうとするものでございます。
また、今後の保健所の役割につきましては、昨年改正されました
地域保健法が生活者である市民の視点、あるいはニーズに対応するため、保健、福祉の連携や保健所の機能強化を目指すものとなっておりますので、本市におきましてもその趣旨に沿って今後一層努力をしてまいりたいと存じます。
以上でございます。
8: ◯財政局長(丸山浩司)行政改革に関連いたしまして、財政運営のあり方に関する御質問でございますけれども、本市におきましては、指定都市の中でも極めて高い水準の建設事業を実施してきておりまして、そのために市債残高も非常に増加をしているという状況にございます。
これらの建設事業は、東北の中枢都市にふさわしい都市基盤の整備、あるいは市民の利便に資する施設の整備を行うために実施しているものでありまして、御指摘のような浪費型の公共事業というふうには考えておりません。
財政状況は極めて厳しいわけでありますが、福祉、医療、安全といった分野と都市の経済活動や魅力を高めていくための分野などを、全体的にどうバランスを的確に図っていくかということが、財政運営にとっては重要であろうと考えております。
なお、市民のニーズに的確に対応していくためには、少しでも経費を削減し、最少の費用で少しでも大きな効果を出すための努力を行うことは当然と考えております。
次に、
固定資産税についてでありますが、まず収益還元法を評価方式として採用することについてであります。これについては、例えば同一業種におきましても経営内容とか、あるいは地域によりまして収益力が異なるという問題もありまして、収益額とか資本の還元率について客観的数値を見出すことが技術的に困難であるという問題があり、これについては導入することは難しいということをこれまでも申し上げておりましたが、その点については変わりはございません。
次に、一定の土地について一律に非課税にすること、あるいは
基礎控除方式の導入などについてでありますけれども、
固定資産税というものが、資産の保有と
行政サービスとの間の受益関係に着目した制度である以上は、それらのものについてはこの税の基本的な性格になじまないということで、現在は、例えば二百平米以下の住宅用地については、
固定資産税の課税標準を本来のものの六分の一にするというふうな措置が講じられているところでありまして、この点についてはやむを得ないものと考えております。
次に、
固定資産税の税率の引き下げ等についての御意見でありますけれども、この点につきましては、
固定資産税のみの問題というふうにとらえて論議するのは不適当であろうと考えておりまして、むしろこれを本格的に行うためには、所得、消費、資産、これらの間の課税バランスのあり方という面から抜本的な論議を行うというならば、それも必要かもしれませんが、少なくとも
固定資産税のみについて一つの結論を出すということは困難であろうと思います。
それから、
都市計画税についてでございますが、これにつきましては本市において今後一層の社会資本の整備が必要という状況にございますので、
都市計画税はそのために非常に重要な財源ともなっております。また、この税負担の抑制措置も平成六年度から講じられているところでございますので、その税率の引き下げ等については現在のところ考えておりません。
なお、これについて、もし引き下げが必要かどうかということになりますと、先ほど同様に課税バランスの全体論議の中で行っていくことが必要であろうと思います。
9: ◯民生局長(相澤幸平)
ホームヘルプ事業の充実についての四点の御質問にお答えをいたします。
まず、
ホームヘルパーの条件整備についてでございますが、本市の
ホームヘルプサービス事業は、チーム運営方式により
主任ヘルパーが
福祉事務所及び保健所等の関係機関と連携しながら、
登録ヘルパー及び嘱託ヘルパーによるサービス提供により実施しているところでございます。
今後も、必要なヘルパーの確保や待遇改善等の条件整備に努めまして、サービスの拡充を図ってまいりたいと存じます。
次に、区のブロック化による在宅ケアの抜本的強化についてでございますが、
ホームヘルプサービスにつきましては、現在三カ所の
ヘルパーステーションを設置し実施いたしておるところでございますが、今後ニーズの動向を勘案いたしまして、各区に一カ所の
ヘルパーステーションを設置してまいりたいと考えております。
また、
ヘルパーステーションには、小地域を担当するチームが市全体で三十七チーム編成されておりまして、チームの
主任ヘルパーがソーシャルワーカーや保健婦等と連携して、事業を実施いたしておるところでございます。
今後とも、地域の需要に見合う必要なヘルパー及びチーム数を確保いたしまして、きめ細かな在宅ケアサービスに努めてまいりたいと存じます。
次に、国基準への上積みによる独自事業についてでございますが、
ホームヘルプ事業の費用負担につきましては、サービス利用者に適切な負担をしていただくという趣旨から御負担をいただいておるところでございますが、本市におきましては、重度の障害者の方々につきまして、単独事業として費用負担の免除措置を行っておるところでもございますので、御理解を願いたいと存じます。
次に、先進的福祉制度を参考にした事業の拡充についてのお尋ねでございますが、
ホームヘルプ事業の拡充につきましては、平成七年度から家族介護力の低い世帯を対象にいたしまして、午前八時から九時まで及び午後六時から七時までの間について派遣時間を拡充するとともに、年末年始及びゴールデンウイーク期間中も派遣できることといたしたところでございます。
また、二十四時間巡回型
ヘルプサービスにつきましては、先進都市の実施状況及び市民ニーズ等を踏まえまして、現在、事業化の諸課題について検討を行っているところでございます。
以上でございます。
10: ◯経済局長(阿部達)初売り問題についてお答えをさせていただきます。
昨日の本会議におきましてもお答え申し上げましたとおり、本市といたしましては、市民に親しまれている伝統ある仙台の初売りを、大型店も地元商業者と協調を図りながら一体となって盛り上げていただきたいと考えてございます。したがいまして、今後とも商工会議所や商工会等の意向も十分踏まえながら、対応をしてまいりたいというふうに存じます。
以上でございます。
11: ◯三十九番(
青野登喜子)ただいま
行政改革大綱に対する市長の御答弁と初売りについての御答弁がありましたので、再度この点に絞ってお尋ねしたいと思います。
私は、最初の質問で民生局と衛生局の統合というかつてない機構再編は、数々の矛盾と問題点を抱えているということを取り上げたわけですけれども、この点で市長並びに市当局の御答弁は何ら解明されたものになっておりません。にもかかわらず、ことし三月に設置された市行政改革推進会議の提言を七月に受けて、十月には大綱を策定するというのは余りにも拙速過ぎるのではないかと思うのです。
市の職員や市民に事前に案も示さずに、検討の時間も十分にかけない、こういうやり方をなぜするのか、この点について明快な市長の御答弁をまずいただきたいと思うのです。
それから、もう一つは、仙台の初売りの問題ですけれども、所管されておられる経済局長が御答弁されたのは当然のことだと思うのですけれども、局長の御答弁はもとよりのことですが、これだけ大きな問題になっていることについて、市長みずからが所信を明確にすべきではないかと思うわけです。
特に、大手スーパーなどが長年の伝統となってきた三日初売りという仙台の商業慣行を踏みにじろうとしているこの問題について、市長は市の伝統をどう守るお考えなのか、この点をぜひお聞かせいただきたいと思います。
12: ◯市長(藤井黎)行革の関係でございますけれども、拙速ではないか、こういうことでございます。
私どもといたしましては、今日の高齢社会、あるいはまた少子社会、また地域におけるさまざまな地域再編成の問題、ボランティアの活動の活発化の問題等々、福祉、衛生、市民生活の安定を守るさまざまな環境状況が、今日行政に先駆けて大きな変革をしつつある、こういう状況を踏まえまして、これに対して対応を急がなければならないということで、行政改革の推進会議にお願いし、その趣旨に沿いまして今回これを実行しようと、こういうことでございます。
既に九月から市民の方々にも公表できるようにしておりますし、またあるいはおっしゃるようにこれは大きな改革でございますので、未経験のことでございますので、必ずしも円滑さが完全保証されるということではないかもしれませんけれども、実際に行いながら市民ニーズが的確にこれに反映できるように努力することが私どもの当面の役割であろうと、こういうことでございますので御理解をいただきたいと思います。
また、初売りの関係でございますけれども、我々としましては、おっしゃるように一つは仙台の伝統的な行事である、そういう伝統文化を尊重するという建前が一方であると同時に、消費者の問題、それから経済界のさまざまな御事情等々も一方においては勘案せざるを得まいということで、現実対応といたしましては、経済局長が御答弁申し上げたようなスタンスにおいて対応したいと考えておりますので、御理解を賜りたいと思います。
以上でございます。